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SPECIALISTの声

ペットの救急隊員が語る「台風や地震への備え」

2020年09月01日

サニーカミヤ様は防災対策の専門家で、ペットの救命救急に関する知識や技術を広めるべく各地で講習会などを行なっています。

前回の「日常生活に潜む命の危険と救命方法」に続いて、今回は台風や地震に対する備えに関して教えて頂きました。

近年は大きな被害をもたらす災害も多いので、いまからできる準備を確認してみてはいかがでしょうか?

サニー カミヤ氏
-一般社団法人「日本国際動物救命救急協会」代表理事
-一般社団法人「日本防災教育訓練センター」代表理事
-BART(消防士のためのペットレスキュートレーニングインストラクター)
-PetSaver Instructor(ペットの救急救助救護法インストラクター)
Web Site:https://petsaver.jp/
FaceBook:https://www.facebook.com/pet119/
Twitter:https://twitter.com/PetSaverJapan



台風や地震への備え

大きな被害をもたらす台風や地震などに対して、どのような準備が必要とされているのでしょうか?またいざという際に何に気を付ければ良いのでしょうか?


大規模な自然災害発生時は「生命・身体・財産・生活・自由」の順で守りますが、発生する前にしっかりと準備をしておくことが「防災」です。

台風も地震も避けることはできませんが、予め備えておくことで、被害を軽減することはできると思います。

(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)

1、台風への備えについて

台風や大雨は、毎年大きな災害をもたらしますが、気象庁から発表される台風強度予報(中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域等)など、台風が発生してから5日先までの防災気象情報を利用して、住んでいる場所が暴風域に入る前に被災を未然に防いだり、被害を軽減することが可能です。

近年、テレビやラジオなどの気象情報はとてもわかりやすく、過去に起こった災害映像や早めの避難の方法、身を守る行動についても具体的に伝えられていますので、大雨や台風に関する注意報や警報が発令された際には、十分注意して情報収集してください。

特に「強い」「大型」「遅い」という危険三要素がひとつでも存在する台風や大雨の危険が近づいているというニュースや気象情報を見たり聞いたりしたら、「もしも住んでいるところが今までに経験したことがないような暴風雨になったら・・・」を真剣に考えて、自分とペットの心身の健康と安全を守るために災害への備えをもう一度確認しましょう。

(出典:内閣府政府広報オンライン)

■ペットのための台風対策
台風が上陸する前や大雨が降る前、風が強くなる前は家の外の備えも確実に行いましょう。

・外飼いの犬は家の中に入れた後、犬舎は固定する等、安全な飼養環境を保持する。
・ペットが怖がるため、雨戸やシャッターが風でガタガタ音を出さないようにする。
・ペットが怪我をしないように飛散物で窓が割れないようにする。また、雨戸やシャッターのない窓は、割れたガラス飛散防止のためにカーテンを閉めたり、窓に飛散防止フィルムを張る。
・屋内のカビの発生を予防するため、枯れ葉や砂がつまっていないか雨どいを掃除し、屋根瓦やトタンがめくれたり壊れていないかを確認して雨漏りを防止する。
・テレビアンテナや太陽熱発電パネルが脱落するなどして屋根を壊したり、窓などを割らないようにそれぞれの固定部分が錆びたりゆるんだりしてないかを点検しておく。
・物干し竿は飛ばされないよう下に降ろし、物干し柱は倒して、竿と一緒に縛っておく。
・庭木が飛ばされたり、倒れたり、折れた枝などが窓ガラスを割らないように固定する。
・強風で飛ばされそうなもの(植木鉢、ゴミ箱など)は家の中へ入れる。
・プロパンガスのボンベがしっかりと固定されているか確認する。
など

(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)

2、地震への備えについて

揺れの激しい地震が自宅で発生すると下記のようなことが起こる可能性があります。
特に冬の夕方の料理中や深夜の就寝中の無防備な状態で発災すると被害が大きくなったり、その他にも下記事象が考えられます。

・窓ガラスや食器棚、洗面所や姿見のガラス、照明器具、テレビ、パソコンのモニター等が割れ、床やソファーなどに飛散して怪我をしやすい状態になる。
・タンスや本棚、戸棚などが倒れて物が散乱し避難の支障になる。
・自宅から火災が発生し、濃煙や火炎に襲われる。
・耐震化されていない家の2階が1階に落ちてきて下敷きになる。
・大規模な停電により、信号が停止し、大渋滞になる。
・停電するとポンプで水を送られなくなり断水になる。
・マンションのエレベーター内に閉じ込められる。
・119番通報して救急車や消防車を呼んでも来ない。
・地震のショックにより飼い主もペットも動けなくなる。
・猫は恐怖からクロゼットの奥や洗濯機、冷蔵庫の裏に逃げ込んでしまう。
・停電によるエアコンの停止で夏は熱中症、冬は低体温症のリスクがある。
など

また自宅の外では、下記事象が考えられます。

・津波の発生により、人や車、家や建物が流される。
・危険物や毒劇物貯蔵施設、原子力施設から様々な物質が漏洩する。
・主要駅等で複雑多数の人々が帰宅困難になる。
・広域、かつ、同時多発的に火災や交通事故が発生する。
・運行中の鉄道の脱線や鉄道施設の損壊による長期間の運行停止。
・空港が閉鎖する。
など

(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)

■ペットのための地震対策

・自宅が耐震化されているかを確認する。
・長時間過ごす部屋(寝室)から地震対策を行う。
・家具が転倒しないよう、家具は壁に固定する。
・寝室や子ども部屋、ペットがいつもいるケージの場所には、できるだけ家具を置かないようにする。
・家具を置く場合も、なるべく背の低い家具にするとともに、家具が倒れた時にペットのケージの損壊、ケージのゲートや部屋の出入り口をふさいだりしないよう、家具の向きや配置を工夫する。
・手の届くところに、懐中電灯や携帯電話を備えておく。
・ガラスの上を歩けるスリッパや上履きを寝室に用意しておく。
・普段から部屋の中を片付けておき、地震発生時に避難の支障にならないようにする。
など

地震は揺れによる建物の損壊や下敷きが考えられ、台風は水害による溺水や感染症などが考えられますが、結果的にインフラが停止することによる長期間の停電、断水、道路の損壊、物流混乱による飲食料など生活物資全体の供給停止、医療機関(動物&人間)の被災による薬の処方遅延、ガソリンなどの燃料調達困難など、生活に必要なさまざまな物資や仕組みが停まってしまうことが考えられます。

(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)

3、ペットのための在宅避難対策

状況に応じて在宅で避難をする可能性もあるので、以下のようなものを事前に揃えておくと良いでしょう(長期停電対策含む)。

■飼い主とペットの在宅避難用品の確認

・懐中電灯(ヘッドライトと予備の充電式電池)
・携帯用ラジオ(乾電池)
・救急薬品(便秘薬:飼い主とペットのストレス対策)
・常備薬1ヶ月分(心臓病、糖尿など持病のあるペット)
・最低1週間分の非常用飲食料品(ペットフードや水)
・最低1週間分のペットのサニタリー用品(オムツやペットシーツなど)
・携帯ボンベ式コンロ(ガスボンベ複数)
・地域の浸水ハザードマップ
・断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保し、停電時の犬の熱中症予防対策として、20リットルのポリタンク数個に水を満タンにして準備しておく。
など

(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)

4、避難場所の確認など

もし、自宅が大地震による損壊や火災で住めなくなったり、水害による浸水などで在宅避難を継続できない場合は、必ず、ペット同行避難を行い、地域防災計画等に基づく、直近の小学校などの指定避難所での生活を行う準備が必要です。

ただし、避難先でペットの飼養条件に様々な条件が課せられるケースがありますので、車中避難、キャンプ避難、友人宅や家族宅など、ペットの飼養条件が異なることを想定して、それぞれに必要な準備をしましょう。

■ペット同行避難について

・直近の学校や公民館など、地域の避難場所として指定されている場所への安全な避難経路を確認しておく。
・地域の避難所運営訓練等にペット連れで積極的に参加する。
・避難所が開設されるか否かは被災状況によるため、開設状況を確認すること。
・水害と地震の避難所が異なる場合も有るため注意すること。
・非常持ち出し袋を実際に背負い、ペットを連れて自宅から避難所まで実際に歩いてみたり、動線上の二次的な危険要因などを見つけておくこと。
・非常持ち出し袋の中身は夏用、冬用など季節に応じたものに工夫すること。
・普段から家族で散歩中、在宅中、通勤通学中の避難場所や連絡方法などを話し合っておく。
・避難するときは、持ち物を最小限にして、両手が使えるようにしておく。
など

(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)

5、非常持ち出し品の用意

ペットと飼い主の非常持ち出し品を用意しましょう。以下は非常持ち出し品の一例です。

■飼い主用非常持ち出し品の一例

・リュックサックやホイール付きキャリーケース(道路状況による)
・スマホの充電器
・救急医薬品、常備薬、紙おむつ、生理用品
・現金(小銭も)、預金通帳など、印鑑、健康保険証など、身分証明書
・衣類やタオル類(複数枚)、寝袋、雨具、軍手、靴
・ナイフ、缶切、鍋や水筒、懐中電灯、ラジオ、電池、ロープ、マッチやライター、使い捨てのカイロ、ティッシュ類、筆記用具、ごみ袋など
・ヘルメット、ゴーグル、マスク、予備の眼鏡など
・貴重品(現金、身分証明書付き写真)
など

■ペット用非常持ち出し品の一例
・飲食料品(ドッグフード、水)
・ペットの給餌用トレー(フードと水用、ステンレス)
・予備のリードとハーネス
・ペットシーツ(トイレ)やオムツ
・ペットの情報(狂犬病摂取履歴、マイクロチップ番号、掛かりつけ医情報、既往歴、服用薬)
・ペットのヘルスケア(ブラシ、歯磨き、爪切り)
など

台風は発生から5日の予測を気象庁が出します。
そのため暴風域に入る確率など、自宅に被害を及ぼす可能性などを十分に予測する事が出来ますので、具体的に判断し行動して下さい。

ただ、地震は突然発生しますので、日頃からの備えが必要になります。
環境省が過去の災害から得た様々なペットと飼い主の防災知恵を掲載しておりますので、ぜひご一読ください。


-編集後記-

台風や地震など大きな被害をもたらす災害は各地で起きており、特に現在の状況ではいままで以上に意識を高める必要があると思います。

未だ災害対策をしていない方は、これを機に皆さま自身とペット達の安全のためにぜひ準備をしてください。

イージードッグとしても、ペットのレスキュー隊へのサポートなど出来ることを進めていきたいと考えています。

寄稿:サニーカミヤ氏(日本国際動物救命救急協会 代表理事)

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