SPECIALISTの声
日本レスキュー協会様は、災害現場で人命救助を行なう災害救助犬の育成をはじめ色々な活動をしている団体です。
ニュースで見る台風などの被害は深刻なので、誰にとっても関心は高いと思います。
実は公共機関の資金支援はほとんどなく、職員の方々が自ら寄付を募ったりして運営費を集めているそうです。
前回に引き続き、活動内容を紹介して頂きます→前回の内容はこちらから。
日本レスキュー協会
災害救助犬の育成や派遣などを世界規模で行なう国際救助機関
認定NPO法人として国からの認定を受けている
Instagram : japanrescue
Facebook : japanrescue1995
Web Site: https://www.japan-rescue.com
「犬とともに社会貢献」25周年を迎え更なる飛躍を
阪神淡路大震災が発生した1995年に当協会が設立され、2020年9月1日で25周年を迎えます。多くの支援者さまに支えられ、災害救助犬・セラピードッグ・動物福祉の3事業を核とした事業が、この25年の地道な活動を通じて更に大きく発展しようとしております。
2018年6月には佐賀県支部が設立され、また、災害時に二の次となりがちな被災したペットと飼い主に対して支援を行う「被災ペット支援」活動を実施、さらに防災イベントなどでペットとの防災を啓発するなど、徐々にではございますが主な3事業を中心に「犬とともに社会貢献する」という活動理念のもと、更なる社会貢献へと活動の幅を広げております。
災害救助犬の活動
災害救助犬は、災害時に倒壊家屋や土砂などの下敷きになった行方不明者を探すために特殊な訓練を受けた犬達のことです。
犬の優れた嗅覚で人間の「汗や息の匂い」など生体が発する様々なにおいを探し出し、発見するとその場でハンドラーが到着するまで吠えて(バークアラート)知らせます。
近年、災害救助犬の出動は災害時だけでなく、山岳で行方不明になった人を捜索する「山岳要請」、避難所へ避難した際の空き家の犯罪抑止力としての見回りなど、災害救助犬の活動内容は広がりつつあります。
災害発生時には救助を行う機関とうまく連携を図れるかということが重要になってきます。
災害が起こった際に迅速に要請を受けられるように県や市、消防などと「協定」を結ぶことも重要です。それに加え、災害現場で迅速に救助活動ができるように消防などと合同訓練を行うことも大切になってきます。
当協会では、消防などと日頃から積極的に合同訓練を行うことで災害発生時に迅速かつ的確な連携を図れるよう日々活動を実施しております。また現在の協定締結先は53となりましたが、今後さらに増やすことで迅速な救援活動を日本全国どの地域でも同じ水準で実施できる体制を構築してけるよう取り組んでいます。
セラピードッグの育成・派遣
セラピードッグは、ふれあいや交流を通じて、高齢者をはじめ、障がいを持つ方や病気の治療を必要とする方の心と体のケアを補助する役割を担うため、特別な訓練を受けた犬のことです。
病気や怪我、社会的な理由などから人と会うのが億劫になることも見受けられます。そのような境遇になりたくてなる人は、一般的にみてまずいないでしょう。
暗鬱な心にそっと寄り添い、温かくて明るい光を届けてくれる犬の素直で優しい心。
セラピードッグのことを誰もが認知し、いつでもドッグセラピーを受けられる世の中にしたい。
ストレス社会と呼ばれる現代において、セラピードッグがもたらしてくれる癒しの効果は、人が本来持っている宝物をみつけてくれるのではないでしょうか。
現在、当協会では災害により避難所生活を余儀なくされている方々の元へ慰問活動を行っているほか、大阪母子医療センターに毎週1回訪問し、病気と闘う子供たちに笑顔と元を届けています。
また派遣事業だけでなく、当協会のセラピードッグハウスは、来所してご利用して頂くことも可能で、より多くの方にドッグセラピーを利用してもらえるようにプログラムを考案しております。
現在は年間150回を超える訪問活動を実施しておりますが、近年、セラピードッグの需要が増加していることを受け、セラピーハウスの増改築をして利用者様への満足度向上を図り、さらに大阪母子医療センターには毎日訪問することを当面の目標としております。その他にも、病院、介護施設などとの提携は常に実施しております。
動物福祉
「犬とともに社会貢献する」を活動理念に掲げる当協会は、動物福祉が世の中に浸透することが重要であり、活動の根底を支えるものと捉えております。
小さな命が物のように扱われることのないように訴え活動することで、人間と動物が共生できる社会を目指しています。
現在、当協会では10頭ほどの犬を保護し、譲渡する活動を行っております。ですが、保健所に引き取られる犬猫は年間約10万頭おり、そのうち約4万頭は殺処分されるというかなしい現実もあります。
人の身勝手な理由により保健所に入れられることもあるなど、まだまだ動物福祉の思想が社会に浸透していない一例だと思います。
しかし、一方で保健所などから保護された犬が、温かい家庭に引き取られていくことも事実です。犬を買うことも選択肢の一つとしてございますが、保護された犬が新しい飼い主を待っていることも選択肢の一つとしてあることが当たり前の世の中になれば、助かる命がもっと増えることは間違いないでしょう。
「愛」や「良心」といった現代社会で見失いがちになる大切な感情を見直すことがいま求められているのではないでしょうか。
そこで当協会としては、一頭でも多くの犬が温かい家庭で暮らせるよう動物福祉事業を拡大し、継続して動物愛護精神を啓発していきたいと思っております。
未来に向けて
災害が頻発する昨今、また時代の変化とともに心が枯渇する現代において、当協会の使命、社会での役割を実感させられます。
災害救助犬・セラピードッグ・動物福祉、それに被災ペット支援など、今、世の中に求められていることをどのように事業展開していけば、より社会に貢献できるのか。
事業規模を拡大し内容を充実させることはもちろんですが、一人ひとりが自分だけではなく、皆がいて世の中が成り立っているということを再認識することも重要だと思います。
当協会をご支援してくださる人がいなければ活動が成り立たちませんし、事業を実施していくうえで職員も含め人がいないと社会貢献ということすらもございません。
人を中心とした心のつながりが、持続可能な世の中を実現していくための鍵になるのではないかと思います。
当協会が人と人の心の架け橋となり、より良い社会を実現していく。それが私どもの使命であり、社会での役割であると認識しております。
また、当協会は国や地方自治体からの支援はほとんどないため、年間約1億円かる活動資金を10数名の職員で調達し活動しております。
PR活動、街頭募金、募金箱設置などをしておりますが、まだまだ認知度が低いのが現状です。
つきましては、日頃からのご支援はもちろんのこと、当協会を不特定多数の方に認知して頂く機会を提供していただいておりますイージードッグ様に心より感謝申し上げます。
今後とも事業活動に尽力してまいりますので、何卒ご理解とご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
—編集後記
イージードッグでは以前から災害救助犬用にハーネスを提供させて頂く等、微力ながらサポートさせて頂いておりますが、日本レスキュー協会様の活動には多くの方々のご理解が必要です。不要となった本やCDを回収して寄付してくれるサービスもありますので、ホームページ等をご覧ください。これからもイージードッグは、日本レスキュー協会様の活動をサポートさせて頂きます。
寄稿:日本レスキュー協会 寺岡祐介氏(企画広報事業スタッフ)
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